さてタイトルに偽りありといわれてもしょうがないと書いたが
やはりそのとおりに批判されていた。
Guarby氏が運営されているサイト
Guarby's氏のブログの
ここをごらんいただきたい。
なおこの記事は柳下氏のサイトにトラックバックされており
氏はそれを承認されている。
ただしGuarby氏が間違えているのは「シネ・ハント」は
2008/9月号の時点でいまだに連載中であり、また
柳下氏はスタイルは違えど常に
「真面目に」映画を評論しているということだ。
柳下氏が本著の最後の
樋口泰人氏との対談で
「悪口を言う(批判をする)方が簡単だが、褒めるのは難しい。」と述べている。
それに対して樋口氏は「悪口は芸がいる」と述べている。
(反論している訳ではない。)
その「芸の」形のひとつであり
「お下劣」な形をとったのが
「ファビュラス・バーカー・ボーイズ」であり
「お上品」な形をとったのが「シネ・ハント」なのだ。
ただしGuarby氏の言うとおり、
題名だけを見てハリウッド映画がつまらない
理由を求めて買ってしまった人には
柳下氏は説明責任があるかもしれない。
私は本の題名を常に著者が決められるものではないという
ことを知っている
「世界の中心で、愛をさけぶ」も編集者が
つけたものだ。もし編集者などの他人に
出版促進のために付けられたのならばそれを
潔いとしなくても(氏の性格ならありえる)
それを書いておくべきだったかもしれないし
また連載は「シネ・ハント」がなぜ
「シネマ・ハント」に変わったかもだ。
(日本の読者は何々の○○の理由とかやりかたという
類の本が大好きだ)
なお余談だが私は最初「シネマ・ハント」という題名を
聞いててっきり
「赤狩り」を意味する英語が「Red hunt」で
それからとったものではないかと思ったが
その予感は外れた(リンク先を参照)。
シネマは一応フランス語だから、そっちも調べてみたが
それも外れた。映画史と赤狩りは切っても切り離せない
関係があるからだ。
さて話を元に戻すと、柳下氏が「商業化された」ハリウッド映画が
つまらなくなっているいくつかの理由というのは
実は氏がこれまで関わってきた
「映画秘宝」関係の本や氏の著作自体に
大いに書かれている。
それを知っている私だからこそ本作を読んでも
特に怒りもなく、別にハリウッド映画だけを扱っていなくても
批判ばかりじゃなくても、怒りは沸かなかった。
(ちょっとやばいんじゃないなとは思ったけど)
氏は多分自覚しているだろうけどその
「芸」の上に誤解されることも多い。
私は氏が関係している映画秘宝ムックの
「70年代映画懐かし地獄―あの頃映画は爆発だった!」
で氏が町山氏との対談(て言えるのかな)で
「70年代以降の映画は惰性で見ている」という発言を見て
だったら映画評論家なんかやめちまえ!
と本気で怒ったことがある。
2008/9/7追記、いろいろ後片付けをしていたら
「70年代映画懐かし~」が出てきました。
そこで見直していたところ両氏が惰性で見ていると言ったのは
70年代ではなく80年代以降の間違いでした。
また柳下氏は町山氏が最初に発言されているのに
同意するという形で上記に類する発言をしています。
ただ私が7/25に書いた感想はそれによって
変わっておりません。しかし実際には氏は映画をいまなお愛しているし
また評価している。でなければ氏の
ブログにあるとおり
精力的に映画を観れるはずもないし
こんな本も書けない。
とにかく、「シネマ・ハント」は素晴らしい、
映画評論本だ。ただし決して批判本ではない。
題名が「シネマ・ハント」だけだったら
もっと高く評価されていただろう。
もしこの本を見て氏を素晴らしい
映画評論家と思われるのならば
ぜひ氏のほかの著作も見てほしい。
さしあたっては以下の2作をお勧めする。
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